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カベを超えるには「力」が不可欠

福島 達也さん NPO法人設立運営センター 理事長
 1998年、NPO法の成立と同時に「NPO法人設立運営センター」を開設した福島氏。開業当初は自らが各地に出向き、NPO法人設立に必要な申請書類作成についてアドバイスをしたり、各地の所轄庁へ同行し説明したり設立支援を行ってきた。現在は運営に関する指導のほか研修・セミナー、講演会など設立後のサポート事業も行っている。国内で唯一、NPO専門の国家資格者が常勤し、設立支援サービスを提供。同センターが支援して設立したNPO法人の総数はすでに600を超えている。
  「設立当時は、地方の所轄関係者の中にはNPOについての知識や理解がないところもあり、法人化する必要性を説明して納得させるのが大変でした。」そのため2002年には、自らが企画・執筆し、申請マニュアル本を出版(「NPO法人設立・申請完全マニュアル」 Jリサーチ出版、2003年改訂版を発行)。
その後、社会的認知度も高まり、福島氏自身の知名度も上がったため、申請作業も幾分かはやりやすくなったという。「本音を言えば、定款や書類もマニュアル通りに作成すれば、申請は誰でもできます。実際、国内には現在2万以上のNPO法人があります。ただし、この中で半数以上が休眠状態。活動を行っていない、というのが実情なんです。」多くのNPO法人が設立後わずか半年から1年で活動を休止してしまうという。なぜか? 「大事なことは、法人化することではなく、法人化して何をするか、どう活動していくか、ということなんです。運営する体力がないまま設立しても、すぐに息切れしてしまうんですね。マラソンを走る前にはちゃんとトレーニングをして体力をつけ、コース研究をしておくでしょう? それと同じことなんです。他の人もやっているから、ブームだから、となめてかかってはいけません!」と手厳しい。

  任意団体として活動経験がないまま法人化し、設立後に動けなくなるケースも多いという。「社会に貢献していく活動であっても、資金や場所、人材の確保は不可欠。自己満足ではダメ! 仲間内だけでなく、多くの声に耳を傾け、時代にあったもの、人に必要とされているもの、その地域に合ったものを研究すべき」異業種交流できるネットワークに参加することもおすすめだという。「NPOは、設立したあとが大変。資金源となるのは主に支援者の年会費、月会費、寄付などですが、いかに高尚な志や素晴らしい事業計画を持っていても、その価値を会員や周囲が認めてくれなくては資金は集まりません。ましてや人も集まりません。お金を払わなければ人は動いてくれません。ボランティアに頼る運営では、立ち行かなくなる。そのためにもまず、設立前に走り続けられる体力をつけておくことが必要。そして、将来の予測をしっかりし、常にアンテナを張って最新の情報を仕入れて動くことが大切なんです。」と語る。

  「そして、自らの強み、専門性、得意分野を極め『この件に関してはここに聞けばいい』という団体を目指すことです。少なくとも、市役所の窓口で相談して返ってくる答よりは詳しく、細やかな情報が提供できなければNPOとして活動していく意味はありません。また、アウトソーシングできるものはなるべく自分たちでやらずに外部委託すること。いたずらに規模を大きくしないこと」もポイントだ。走り続ける体力、間違えたら軌道修正できる情報力、他人を説得できるプレゼンテーション能力、行き詰まったら縮小や撤退をする決断力、それらなくして組織運営は難しい。まさに「継続は力なり」なのである。
(取材・文 ささきなおこ)
プロフィール
    福島 達也(ふくしま・たつや)
NPO法人設立運営センター 理事長
業務内容:NPO法人の設立と運営支援
/NPO法人コーディネーター養成スクールの運営と資格認定/NPO関連セミナーの実施

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