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代表・川野真理子


コラム「銀座物語」
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−銀座物語− 独立と人生は、キープラネットが発行している会報誌の巻頭に
代表の川野真理子が毎号掲載しているものをホームページに掲載しています。
※1998年創刊号から2005年39号までは「神宮物語」として配信していました。
  2006年10月7日配信★【きぷら開運137号】★より

川野真理子の「人は黙って去る」

いい話。

あるとき、MLで「講演会のチケットを無料で差し上げます」という投稿があり、そのチケットをもらった人がいた。

それから数ヶ月経ったある日、キープラネットの事務所にその投稿をた人と、チケットをもらった二人が別々な用事で来ることがわかり、チケットをもらった女性は、チケットをくれた彼が来るまでどこかで時間をつぶし、彼がくる時間に合わせてまた事務所にやって来た。

大きな紙袋をもった彼女は言った。「チケットを頂いて行った講演は本当に感動しまして、いつかきっとお礼をしよう、しようと思っていたんです。今日いらっしゃるとお聞きしたので、今日こそはお礼を、と思ってお待ちしていました。」と。

もちろん、チケットをあげた方も素敵な予期せぬプレゼントにとても喜んだし、見ているこちらまでとても温かい気持ちになった。

偉いな〜と思った。

この人なら、人に紹介しても安心だなと思った。


あんまりよくない話。

そんなこんな話を何人かで話していたら、

「そうかと思うとさ、自分のことしか考えてない人もいるよね。人捜しをしているって言うから協力しようと思って、個別にちょっと動いてすごい人を紹介してあげた訳。それが仕事に繋がったから、その人からはお礼の連絡がきたけれど、依頼者からはありがとうの電話1本もないんだよね。ああ、この人はこういう人なんだな〜と思って、それ以来、リストから消したよ。」

「ああ、いるいる。そういう人。でもさ、忙しすぎて、うっかり忘れるってこともあるしね。本当に人への感謝と礼儀は尽くさないといけないって、思うよね。気をつけよ!」 

「人の振り見て、我がふり直せってね。私なんてわざわざおせっかいに『報告を兼ねてお礼の電話くらいするのが常識だよ』と、起業間もない人にアドバイスしたことがあった。そしたらすごい不愉快な反応をされたから、そのとき、あぁ、この人には“人”がついていかないな〜と思って、それからその人には距離を置いたよね。」

なんて話をしたっけ。

みんな、相手には言わないで気付かせないで、黙って去っている。

私たちはもういい歳をした大人だから、一度この人はダメだと思ったら、顔にも出さず、苦情も言わず、ただ優しい顔をして黙って去ることが多い。

だからコワイんだよね。

会社や大きな組織の中にいる人たちと違って、経営者は自分の判断で、この人と付き合う、付き合わないを決められる。嫌なら「こいつとはもう付き合わない」・・・と黙って決めれば、それで済むのだ。

組織の場合は、看板に傷がついたり、組織自体がうまくいかなくなったりすると困るから、同僚が忠告してくれたり上司が怒ってくれたりする。これって、実は、すごく感謝すべきことなのではないかな〜。と思う。

ホント、経営者には誰もイチイチ諭して教えてくれたりしないんだから。

だから、ニコニコしながら去られると、一生かかっても、気づかないことがあるかもしれない。ああ、本当にコワ!!!

神様が、早く気付け〜! と何度もトラブルを起こしてくれて、私たちははじめてそこで気がつくのかもしれない。だから、ピンチはチャンスってある意味本当なんだよね。

私だって、実際は、今、ハラハラしながらこの原稿を書いている。だって、何人もの人にこりゃダメだと思われ、黙って去られただろうし、気がついていないこともあるだろうしね。人のことは言えないからドキドキょ。(笑)

だから、ちゃんと指摘してもらったり、感想を言ってもらったりすることがどれほどありがたいことか… と思う。

口うるさい上司やきつい同僚はありがたいものなんですよ。
>サラリーマン&OLの皆さん!

人に言われて気がつくような奴はだめだ、とよく言われるけれど、残念ながら私はそうはいかないから、ときどき「私が気がつかないことや、気がついた方がいいことがあったら、遠慮無く言ってください」と、頼める人には頼むようにしている。

黙って去らないでねって思う。でも、言うときには、優しく言ってね。(笑)ってね。

先日「この人はすっごく仕事が出来る人だからね。」と言って人を紹介したとき、「川野さん的に仕事が出来るというのは、何をもって仕事が出来るって言うの?」と聞かれて、なんてするどい質問と感心した。

その人も、かなり仕事が出来る人で、感心ついでに口から出た言葉は、「(あなたみたいに)反応の仕方がいいのよ。他の人と全然違うのよ。早いし。」だった。

「他には?」と聞かれて、あの人、この人を思い出して左脳で考えてみた。

そして気がついたことは、

“仕事の出来る人は、相手に非があっても相手に嫌な思いをさせないで、なぜかしら、わからせる術をもっている。”

そんなことを思った。決して攻撃したり強く批判したりしない。これが私には共通していることだった。

これは上級のコミュニケーションスキルなのだと思う。

だから、こういう人に黙って去られないように、誠意を尽くして、よい仕事をしないといけないな〜と、つくづく思うこの頃である。

人の振りみて、私も真似よう・・・ということで、相手に非があった時でも、相手に嫌な思いをさせないで、気付くように努力した。

しようと思った。できるものだと思っていた。

のに、

やっぱり、はっきり言ってしまうもんだから、詫びられてしまった。

言う前に相手に、気持ちよくわからせないとダメなのよ。

まだまだいかんね。


さて、皆さんは、どんなときに相手を見切りますか。

黙って去りますか?

  キープラネット代表 川野真理子
http://www.keyplanet.com/kawano/index.html
 
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